永田 美香

AYA世代の悩み、不安を経験して

39歳の時、私は乳がんと診断されました。当時、娘はまだ1歳で、夫婦で準備を進めていた会社設立日まで1週間というタイミングでした。新しいキャリアを築き、家族としての未来を描きながら走り続けていた私たちにとって、その告知は青天の霹靂でした。

AYA世代特有の悩みを抱えながら、誰にも相談できない孤独感に苛まれました。同年代で同じような状況のサバイバーに出会うことはなく、キャリアや子育て、家庭の在り方について語れる場所はありませんでした。あの時の私は、将来への不安と目の前の現実に押しつぶされそうな日々を過ごしていました。あの時の自分と同じような心細さを抱える人が少しでも減るように、AYA weekの活動に参加しています。
そして、AYA世代のがん患者やサバイバーに向けて、もう一つ大切なことを伝えたい。それは、治療後の人生が長く続くからこそ、「夢を追い、好きなことを思い切りできる体力を付けること」の重要性です。運動は、ただ体を動かすだけではありません。心と身体を整え、未来に向かう力を育てます。私自身、運動の力に支えられながら新たな人生を切り拓いてきました。同じAYA世代の患者やサバイバーの方々が、人生を輝かせるための第一歩を踏み出すお手伝いができればと思います。

永田 美香
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