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多田 雄真

多田 雄真本年は副実行委員長として白石さんとともにAYA week 2023実行委員長 楠木さんをお支え致します、多田 雄真と申します。

私は大阪で血液がんの治療医としてさまざまな世代の患者さんに造血幹細胞移植などのがん治療を提供しています。また並行して院内や大阪府地域でAYA世代の支援に取り組んでいます。

AYA世代の支援では、3つの立場を意識しています。まず、患者さん・ご家族には、なんでも気軽に相談してもらい、さまざまな支援のリソースにつなぐ「コンシェルジュ」として。がん治療医や多職種、がん・生殖医療に携わる皆さんには、患者さん・ご家族との円滑なコミュニケーションを支援する「側方支援部門」として。そして、地域・国など行政や一般の方に向けては、患者さん・ご家族・医療者のニーズを代弁する「アドボケイト」としての立場で関わることを大切にしています。

AYA世代の「孤独」を少しでも減らすためには、新しいがん拠点病院の要件にも盛り込まれた、がん相談支援センターやAYA世代サポートチームの充実だけではまだまだ足りません。匿名でも相談が可能なオンラインがん相談サービスの整備や、対面・オンライン両方でのAYA世代サロンの開催、参加型の患者会だけでなくSNSやYouTubeなど受動的なピアサポートの紹介など何層にも支援の網を重ねて、ひとりでも多くの方を取り残さない体制づくりに取り組んでいく必要があります。

さらにAYA世代にまつわる行政からの支援や制度整備はまだまだ途上にあります。妊孕性温存・温存後生殖補助医療の助成制度は多くの方のご尽力により、全国一律の体制がようやく整備された一方で、介護保険に代わる小児・AYA世代がん患者向けの在宅療養生活支援事業は実施している自治体はごく一部に限られ、新たな地域格差が産まれています。AYA世代サポートチームの整備にも緩和ケアチームや栄養サポートチームに準ずる加算が算定できないと、充分な人的資源の確保は困難です。AYA weekの取り組みを通して、より多くの行政の方や一般の方にも支援・制度整備のニーズをご理解いただけるよう、正しい情報の発信とより一層の啓発に努めて参ります。

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